OpenMediaVaultのインストールがDHCPv6の設定でスタックする
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OpenMediaVaultのインストール中、DHCPv6の設定でスタックする現象に遭遇しました。
ここでは、その現象と対処法について説明します。
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現象
OpenMediaVaultのインストールをしていたところ、DHCPv6の自動設定が動作したところでインストールがスタックし、ブルースクリーンのまま停止しました。
画像下の方を見るとわかりますが、完全に止まっているわけではなく、入力は受け付けている状態です。
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解析結果
私の環境では、IPv6アドレスはISPからSLAAC方式で割り当てられており、ルーター側でRAとDHCPv6、NDPプロキシを全てリレーする設定にしておりました。
SLAAC方式では、IPv6アドレスのプレフィックスがRAで通知されます。そして、DNSサーバーのアドレスについては、DHCPv6のInformation-requestか、RDNSSのいずれかで取得することになります。
ルーターのパケットを解析すると、私の環境ではDNSサーバーのアドレスはInformation-requestにより取得されていました。
ルーターでDHCPv6をリレーする場合、クライアントから送られてきたInformation-requestを、ルーターがDHCPv6サーバーに向けてRelay-forwordで転送することになります。
DHCPv6リレー時のパケットを解析したところ、DHCPv6サーバーがRelay-forwordに対応していなかったようで、結果的にクライアントにInformation-requestの応答が返らない状態となっていました。
これにより、OpenMediaVaultのインストールがスタックしてしまっていたようです。
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対処法
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一時的にIPv6を無効化する
まずはネットワーク設定を見直すことを推奨しますが、IPv6環境下でよくないことが起きていることは明白なので、ルーターの設定で一時的にIPv6を無効化してみるのも一つの手です。
試しにルーターのIPv6設定を全て無効化したところ、OpenMediaVaultのインストールがスタックせずに進むことを確認しました。
IPv6環境下でなければ良いので、インストーラーがIPv6の設定をしている時だけLANケーブルを抜く、というのも効果があります。
とりあえずインストールしたい、そもそもIPv6は必要ない、という場合はこの方法で良いかと思います。
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ネットワークのIPv6設定を見直す
私の環境では、DHCPv6のInformation-requestをルーターからDHCPv6サーバーへ転送するのは辞め、ルーター側で応答を返させるように設定を変更しました。
これにより、OpenMediaVaultのインストールにてスタックしないようになりました。
クライアントからルーターにかけて、IPv6のパケットを監視してどこでなにが起きているか、見直してみましょう。